朝から耳をふさぎたくなるようなニュースが。

 

平成27年8月18日、この日がお誕生日だという女の子(当時1歳)が、塩化ナトリウム中毒で亡くなりました。

 

女の子は、岩手県盛岡市内にある認可外の保育施設で、パート従業員の女性に食塩を混ぜた液体を飲まされ、塩化ナトリウム中毒を引き起こし、亡くなってしまったとの事。

 

パート従業員の女性は、食塩を摂取させたことは認めているようなのですが「具合を悪くさせようとは思わなかった」と容疑を否定しているといいます。

 

これを受けて、平成27年7月に開所したこの認可外の保育施設は、事件後間も無く閉所しましたが、子供の命が失われた以上、「そんなつもりはなかった」「知らなかった」では済まされないと思います。

 

女の子と同じくらいの歳の娘を持つ私としては、亡くなってしまった女の子や、ご家族の事を思うと、すごく苦しくて悔しくなります。

 

率直に言わせてもらえば、なぜ致死量に達する程の食塩が入った液体を飲ませなくてはいけなかったのか。熱中症対策のつもり?

 

そもそも1歳になる子が食塩の入った液体を飲みますか?少なくとも、私の娘は飲まないと思います。嫌がると思います。

 

ただ、このニュースを見て怖いと思った点は、大人も子供も塩分は控えめの方が体に良い、特に子供は体が小さいから気をつけなくてはいけない、という大まかな認識だけがあって、塩化ナトリウム中毒についてはほとんど知られていなかった事です。

 

「1歳未満の子供にハチミツを与えてはいけない」というのは有名ですが、今回の塩化ナトリウム中毒に関しても、ハチミツと同じくらい周知されても良い内容だと思うんですよね。

 

私たち大人が「知らなかった」では子供を守ることができず、子供を守る為に「知る事」がとても大切になります。

 

これ以上、同じような事が起こらぬよう、今日は「塩化ナトリウム中毒」についてご紹介します。

 

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塩化ナトリウム中毒とは何か

ナトリウムは筋肉、神経、血圧、栄養素の吸収など、様々な体の機能を調整し、さらに細胞の機能を維持しています。

 

その為、私たちが生きていくためには欠かす事ができない「必須ミネラル」の1つでもあり、私たちはこのナトリウムを生活の中で、醤油や味噌など「食塩」が含まれた食品から摂取しています。

 

本来なら、ナトリウムは腸から吸収され、腎臓で不要な分をろ過され、血液に戻るのですが、正常な体の場合、体内のナトリウムは9割以上が尿、それ以外にも汗や便で排出されているので、過剰摂取になる事はほとんどないのですが、慢性的な食塩の過剰摂取は、体がナトリウムを排出しきれなくなり、蓄積してしまう恐れがあります。

 

また、慢性的な過剰摂取がなくても、食塩を一度に過剰摂取した場合、一気に血液中のナトリウム濃度が上がり、中毒症状が起こる事があるのです。

 

特に、水に溶けた状態での摂取は、腸から一気に吸収しやすくなる為、今回の事件のように、塩化ナトリウム中毒が原因で亡くなってしまう事も。

塩化ナトリウム中毒の症状例

塩化ナトリウム中毒の主な症状として

・嘔吐 

・下痢

・過呼吸

・意識障害

などがらあげられますが、先ほども申し上げた通り、水に溶けた状態での過剰摂取は、一気に体に吸収されることにより、命に関わる事態になる事もあります。

 

食塩の致死量はどのくらい?

食塩そのものの摂取が悪いわけではなく、むしろ摂取する事は必要な事なのですが、致死量になる食塩の量を頭に入れておく事が大事です。

 

人それぞれ、体格や体質、その時の体調などが違うので、個人差はありますが、食塩の致死量としての目安は

「体重1kgあたり、0.5g〜5gが致死量」と言われています。

 

1歳の子供の体重だと大体、約10kg前後だと思うのですが、10kgの人の場合の致死量は約5g〜50gと考えられます。

約5gというと、小さじ1杯分です。

 

大人からすれば、たったこれだけ⁈と感じる量が、子供にとっては致命的になる事があります。

 

特に液体に溶けた食塩は吸収力が高まるので、カップラーメンのつゆなどを全部飲み干す事も子供にとっては大変、危険な事です。

 

1日の食塩摂取量の目安

私たちが普段、食べている和食は世界からも注目されおり、健康を考えた上でも和食をすすんで食べている人が多いと思います。

 

しかしながら、日本で昔から伝わる醤油や味噌などの調味料や、漬物など昔ながらの料理には塩分が多く含まれています。

 

和食だけではなく、ファーストフードや加工食品にも塩分が多く使われているので、気をつけなければ、塩分の過剰摂取が慢性化する事も十分にあり得る状況です。

 

厚生労働省による1日あたりの塩分摂取量の目標値は
男性  8g
女性  7g

とされていますが、高血圧や腎臓病を患っている方や、人工透析を受けている方だと、さらに目標値は6g以下と下がります。

 

私たちは日頃、この塩分摂取量の目標値を守れているのでしょうか?

答えはNO‼︎です。

 

厚生労働省の調べによると、私たち日本人が1日に摂取している塩分は

男性  11.1g
女性  9.4g

だそうです。

 

夏だからといって塩分は過剰に摂取しない事

夏は気温が上がる為、体は体内の水分を汗として体の外に排出し、体温調整しています。

 

気温が高くなればなるほど、汗をかく量も増え、体に必要な塩分も一緒に流れでてしまうと考えられている事から、夏になると塩分補給する為の飲料水や、塩分を含んだアメなどが店頭に並んでいるのをよく見かけます。

 

ただ、ここで疑問なのは、汗をかいたからといって本当に塩分の摂取は必要なのでしょうか。

 

先ほど、日本人は1日あたりの塩分摂取量が目標値を上回っている事をご紹介しましたが、ただでさえ食事から塩分を摂り過ぎているのに、汗に混ざってわずかに体の外に出た塩分をあえてまた摂り直すのはどうなんだろう…と疑問に感じました。

 

しかも、個人差はありますが、汗に含まれる塩分の量は500mlの汗に対して約1.5g、1,000mlの汗に対しては3gと、それほど多くはないんですよね。

 

日常の中で家事や育児、仕事で汗をかくことはあると思いますが、500mlも汗をかいていますか?

 

よほどハードに運動した時でなければ、これほどの量の汗は、なかなかかかないと思います。

 

管理栄養士・体育学修士である河谷彰子さんによると、スポーツなどで大量に汗をかく場合は、スポーツドリンクなどで水分と塩分を補給する必要がありますが、1.5時間未満の運動の場合は、水分補給のみで良いとの事。

 

つまり日常で汗をかいた分は、あえて食事以外から塩分を摂る必要はなく、水を飲んで水分補給すれば良いんですね。

 

「そんなつもりはなかった」「知らなかった」では済まされない子供の命

今回、当時1歳の女の子が塩化ナトリウム中毒で亡くなってしまった事件は、病院から「塩化ナトリウム中毒の子供が運ばれてきた」と盛岡東署に通報があった事や、専門医らの協力があったおかげで県警が逮捕に踏み切り、約2年の時を経て、私たちは知る事ができました。

 

パート従業員の女性は「体調を悪くさせるつもりはなかった」と供述しているようですが、そんなつもりがなくても、体調を悪くさせるどころか命が奪われたんです。

 

ご両親が「2年間言葉に言い表すことのできない悲しみや怒り、つらさを味わってきた」とおっしゃっているように、子を持つ親にとって、この事件は本当に辛いものです。

 

さらに「逮捕により真実が明らかになり、二度とこのようなことが起きないことを願っている」ともおっしゃっていますが、本当に、もう同じような事で子供や家族が犠牲になるような、耳を塞ぎ、目をつぶりたくなるような事件がなくなる事を心から願います。

 

 

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