自営業の我が家は、ありがたい事によくお客様から海の物を頂く事があるのですが、今回はとても大きな「つぶ貝」を、大量に頂きました。

 

小さなつぶ貝は、これまでに何度か食べた事があるのですが、大きく立派なつぶ貝となると、高級品なので旅館に泊まった時くらいしか食べた事がなかったので、

 

「今日の夕飯、豪華になるね!」

「こんな立派なつぶ貝を見ると、お正月がもう1回来たような感じだな!」

 

海の物が大好きな我が家は大興奮。

 

 

まだ生きているつぶ貝もいて、カタツムリのように触覚?を伸ばしていたので、こんな機会もないと思い、3歳の娘にも触らせてみました。

 

娘は初めての大きなつぶ貝を目の前にし、恐る恐るつぶ貝をツンと指で突いたのですが、

 

「くっさ!この貝、くさいよ!

うわっ!なんか…気持ち悪いよ!!」

 

と言いながら走って逃げて行きました。

 

こんな事ですら微笑ましくも思い、夕飯に大きなつぶ貝を食べられる事が楽しみで、家族みんなが笑顔になっていました。

 

数時間後に食中毒らしきものになるとも知らず。

(食中毒だと思うのですが、病院に行かずに治ったので、「らしきもの」と表現しています)

 

「加熱したつぶ貝」を食べて30分後に起きた悲劇

まずは臭いとぬめりを取るため、夫がつぶ貝1つ1つに丁寧に塩をぬってゴシゴシとこすり、出た汚れを水道水で洗い流しました。

(我が家では、アワビやカキなどの貝類を食べる時に先に塩で洗う)

 

つぶ貝をくださったお客様によると、「水から15分茹でればOK」との事だったのですが、食中毒の事を考慮して、念のため茹で時間を多めにし、大きなつぶ貝に完全に熱を通しました。

 

その後、食べやすいようにバーベキューの串を使って、中身を引っ張りだして皿に盛りつけたのですが、いつもなら内臓(黒っぽくクルンとした見た目グロテスクな部分)は取り除くのですが、今回はそのまま残してしまいました。

 

というのも、今回はつぶ貝が大きいからか、その内臓すら身のように白くて厚くて、さらにしっかり加熱した事で美味しそうに出来上がったからです。

 

大きなつぶ貝がテーブルの上に並ぶと、私が作った煮物は完全に引き立て役になるくらい、食卓が豪華になりました。

 

正直、私はつぶ貝の内臓を絶対に取り除く派で、今まで食べた事がなかったのですが、夫の実家ではもともとつぶ貝は内臓まで全部食べる派の家で、過去に小さいつぶ貝も、殻以外は残すところなく全部食べていたんです。

 

だから今回も、夫もお義父さんもお義母さんも「全部(内臓までも)美味しく食べられる」なんて言いながら、パクパク食べていました。

 

この時点で、私はつぶ貝の見た目グロテスクな内臓に、毒とまではいかなくても何かしらはあると思っていたので、「内臓とらなくて大丈夫かよ…」と心配でしたが、

家族みんながつぶ貝の内臓まで、何事もなく普通に食べていたので、私も大丈夫だろうと思い、つぶ貝をまるっと全部食べてみました。

 

美味しい…!!

 

結局、6個(匹)?も食べちゃいました。

 

ただ、食べ終わってすぐはなんともなかったのですが、30分後くらいから、もしかして風邪?!インフルエンザ?!と思うような頭痛と軽い寒気が。

 

そして、自分が真っ直ぐ歩けているのか不安になるような、体がフワフワして目眩のような感覚にもなり、思わず夫に

 

「何年かぶりに風邪ひいちゃったのかもしれない。なんか体が変なんだよね…。」

 

と伝えてうずくまっていると、夫が

 

「もしかして、つぶ貝の肝に酔ったんじゃないの?!二日酔いみたいな感じ?」と。

 

 

えっ?肝に酔う…??

二日酔いみたいな感じ??

 

 

「肝に酔う」という言葉も初めて聞き、さらには二日酔いの経験がない私にはそれが理解できないまま、しばらく静止状態。

 

そして意識はハッキリしているのに、ボヤけて見えてくる視界…。

 

このままどんどん悪化したらもしかして…と最悪の場合も少し考えてしまいました。

 

「つぶ貝に酔う」は食中毒

家庭内で風邪が流行してもノロが流行しても、私だけは何事もなく終わるくらい体が丈夫なので、風邪の症状とは考えにくく、夫が言う「つぶ貝の肝に酔う」の信憑性が高いと思いました。

 

うずくまりながら、自分の体に起きている不調と、「つぶ貝の肝に酔う」という事についてスマホで調べてみる事に。

 

調べてすぐにわかりました。

 

「酔う」なんて可愛いもんじゃない。

私、食中毒っぽい。

 

しかも、つぶ貝っていかにも毒がありそうな内臓部分(肝)よりも、美味しい身の方に中毒物質を含む「唾液腺」というものがあるのだとか。


(この写真は加熱後の唾液腺です)

 

さらにこの中毒物質は、加熱しても冷凍をしても毒性は消えず、牡蠣やホヤのように、季節によっては毒性が薄れるという事もないんだそうです。

 

つぶ貝の身なら毒はないから大丈夫、加熱したから良し、今までのつぶ貝に対しての認識が甘すぎた事に気づかされました。

 

つぶ貝での食中毒症状例(私の場合)

私の身に起こった体の不調として、

 

・頭痛(左目奥、左頭頂部)

・まぶたが重い(特に左目)

・明るい場所、明るいものを見るとさらに頭痛悪化

・視界がぼやける

・体が軽くなったような感覚

・ふらつくような感覚

 

これらの症状が、つぶ貝を食べた約30分後から現れたのですが、特に左目奥と左頭頂部の頭痛が辛かったです。

 

視界も、ぼやけて見えにくくなった上に、明るい所にいたりテレビやスマホを見たりすると、頭痛がさらに悪化し、なんだか恐怖でした。

 

夫に「病院に行くか?」と聞かれたものの、つぶ貝での食中毒は死亡例がなく、数時間後には治る事がほとんどだとネットに書いてあったので、様子をみる事に。

 

確かに、「食中毒」というわりにはそこまでどうしようもなく大変なわけでもなかったし、結局は1時間半で体の不調もなくなったのですが、つぶ貝を食べてから2時間後、今度は夫が目眩。

 

普段、お酒をほとんど飲まない夫は、それこそ「酔った」という感覚を味わえた事が嬉しかったようで、ちょっとニヤつきながら

 

「このフワフワする感じが肝に酔うって事か〜!なるほどなー!初めてわかった!」

 

と言いながら寝転がっていました。

 

どちらかといえば、私が重度で夫が軽度だったようです。

 

 

私が食中毒だと確信したのは、北海道石狩振興局さんのホームページ内の「つぶ貝による食中毒に注意しましょう!」という記事を読んだからなのですが、そこにあげられていた症状例として、

 

・食後30分から1時間ほどで体に異変

・視力低下

・めまい

・物が二重に見える

・吐き気

・嘔吐

・下痢

・羞明(しゅうめい・まぶしがり症)

 

などがあげられていました。

 

死亡例はなく、通常であれば2時間から5時間程度で回復するそうです。

(私も夫も、症状がでてから1時間半くらいで回復しました)

 

ただ、死亡例はないとはいえ、糖尿病などの持病を抱えている場合は重症化する恐れもあるので、つぶ貝の食中毒を軽視するのは危険です。

 

食中毒で病院に行くべき時はどんな時?

私は今回、中毒症状がでていた時間が短かった事もあり、病院には行かなかったのですが、食中毒で「様子を見るか」「病院に行くか」の切り分けってどうしたら良いのだろう?と思いませんか?

 

祖母がお世話になっている病院に、薬の事で問い合わせる機会があったので、食中毒になったら病院に行くべきなのか、お医者様に聞いてみたのですが、基本的には

 

「食中毒かもと思ったら行くべき」

 

だそうです。

 

 

恐らく私も、嘔吐や下痢などの明らかな症状や、中毒症状が強く出ていれば、病院へ向かったと思うのですが、比較的、軽かったので様子を見たのですが…

 

強い頭痛や視力低下の症状も、十分な食中毒の症状で、重症化した場合は呼吸麻痺や何かしらの合併症を併発する可能性もあったと。

 

救急車も、できる限り呼ぶなという雰囲気にあるけれど、電話で症状を聞きながら、救急車が必要なのかどうかの切り分けや、応急処置方法を案内できるので、具合いが悪い時は119番を利用しても良いというお話も頂きました。

 

#7119をご存知ですか??

具合いが悪い時に救急車を呼んで良いとはいえ、そこまで大げさにしなくても…って思う時もあると思うんです。

 

少なくとも私はやっぱり、よほどの事でない限り、119番に電話をするのは気が引けます。

 

病院に行くかどうかの切り分けも、やっぱり悩んじゃいます。

 

あまり知られていないのですが、食中毒に限らず、急な病気やケガで病院に行くべきなのか、救急車を呼ぶべきなのかなどを、相談できる電話窓口があるんです。

 

【救急電話相談】

#7119

 

私は1度、子供が高熱により痙攣を起こした時に相談させてもらったのですが、対応してくださったのは本当のお医者様で、アドバイスはもちろん、近くの病院まで検索してくれました。

 

相談している間の通話料は負担になりますが、別途、相談料をとられることもなければ、24時間年中無休で相談にのってもらえるので、とても心強いです。

 

今回の食中毒も、症状が回復してから「#7119に聞けば良かった」と思ったのですが、滅多に電話をかける機会もないために、相談することに頭がまわりませんでした。

 

いざという時の為に、頭の片隅に「#7119」を置いておくなり、携帯の電話帳に登録するなりしていた方がいいのかもしれませんね。

 

美味しいものだからこそ正しい処理方法で

今まで夫家族も私も、つぶ貝の身をまるごと食べたところで食中毒らしきものになった事がなかったので、今回の大きいつぶ貝も加熱してそのまま、まるごと食べました。

 

結果、つぶ貝が大きいが故に多く毒を含んでいたのか、初めて食中毒らしきものになりました。

 

しかも食べた個数が多かった私と夫が。

 

夫の両親には心配をかけたくなかったので、当日は症状を隠し、中毒症状が落ち着いた翌日の朝に報告をしたのですが、お義父さんが

 

「二日酔いみたいにクラクラしただろう?つぶ貝も身の中に、白っぽいような黄色っぽいような塊(唾液腺)があって、それが毒だっていうんだ。

本当はそれを取らなきゃいけないみたいだけど、周りにわざわざ取って食べてる人もいないし、今まで誰も食中毒になった事がないからいいと思ってた。

あららら。大変だったな!ははは!」

 

 

ってか身の中に毒があるって知ってたんかい!!

 

しかも笑ってんじゃねーよ!!

 

 

お義父さんは過去に漁師さん達のお手伝いをしていた事があったので、海の物に関しての知識が豊富で、普段、自分で刺身を作ったりしています。

 

そのお義父さんが、食中毒らしきものになった私を可哀想に思ったようで、台所に立って私の為にと料理を作ってくれたのですが、出された料理が

 

毒(唾液腺)の部分を取ったつぶ貝の刺身。

 

 

もはや優しさなのか嫌がらせなのかわからない。

 

「食中毒になっても美味しいものはやめられないよな!

俺も今までサンマ、アワビ、牡蠣、ホヤ、カニで食中毒になった事があるけど、こりずに何年も食べ続けてるぞ!なぜなら美味しいからだ!ははは!」

 

 

食中毒になりすぎでしょ。笑

 

軽い糖尿病を患っているのに、合併症を引き起こしたらどうすんだか。

 

お義父さんは昔ながらの職人肌で、何事においても自分の経験や覚えた知識が正しいと思っており、海の物をさばく時も

 

「本当はこの部分を取り除くんだが、俺の経験上はこの部分は美味しく食べられて、毒にもあたった事がない」

 

みたいな事をよく言うんです。

 

 

ちなみに、夫が私に言った「つぶ貝の肝に酔った」という言葉は、お義父さんがアワビの肝を生で2個食べたら、酒酔いみたいになった事があって、それを思い出して「つぶ貝の肝もアワビの肝と同じかも!」と思いついたようです。

 

なんかいろいろとぶっ飛んでます、お義父さん。

 

美味しいものだからこそ、正しい処理方法でできるだけ安全に食べるのが良いと、私は思います。

 

つぶ貝の正しい食べ方は、今回、私が食中毒かどうかを判断する際に参考にさせて頂いた、北海道石狩振興局さんのホームページに写真付きで載っていましたので、

ぜひそちらを参考にして安全に美味しく召し上がってください。